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19歳・内村航平が銀、体操個人総合で24年ぶりメダル 男子個人総合で19歳のホープ内村航平(日体大)が銀メダルに輝いた。日本勢の個人総合でのメダル獲得は1984年ロサンゼルス大会1位の具志堅幸司以来、史上9人目で、10代では初めて。あん馬の失敗で出遅れたが、4位で迎えた最終種目の鉄棒で逆転した。4位の冨田洋之(セントラルスポーツ)はアテネ6位に続く2大会連続の入賞。 豪快な手放し技を三つ繰り出し、後方伸身2回宙返り2回ひねりの着地をピタリと決めて、鉄棒の演技を締めくくった。内村がニッと笑い、小さなガッツポーズを見せる。極度の緊張感に包まれて、多くの選手に失敗が続出する中、奇妙なほどに落ち着いていた。規格外の心臓を備える19歳が、トップ選手の仲間入りを果たした。 早くから「天才肌」とささやかれた。本人は「天才だったら、もっと上手になってますよ」と反論するが、ある種の天才であることは、疑いようがない。 一般に体操選手は、空中で上下左右に回転する際、目で周囲の風景を把握しているわけではない。回りながら、視界の変化を大まかにとらえ、自らの体勢を感覚として判断する。 ところが、内村は「見えている」と譲らない。「幼いころからトランポリンでクルクル回っていたせいか、ちゃんと見えるんです」 さらに、この男の真骨頂とも言うべき「ひねり」の技術。大抵は左回りにひねる場合、いったん伸ばした右腕を胸へ巻き込むことで、加速する。ところが、内村は右を意識せず、左腕を背中側へ引いて、回転の力を得る。軸は崩れない。理由は簡単。「やりやすいから」だという。 型破りの才能。同僚に助言を求められ、説明しても「みんなに『全然、分かんない』って言われちゃうんっす。すべてが自己流なんで、どうしても伝わんないんですよね」 冨田がエースとして君臨している間に、新しい力が世界へ向け、名前を売りだした。これに、大きな意味がある。体操ニッポン、恐るべし――。団体総合、個人総合を制した中国も、ライバルの世代交代が順調に進む見通しとなり、背筋の寒くなる思いをしたに違いない。 (2008年8月15日 読売新聞)
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