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都市の将来<7>「まちなか」居住へ誘導中心街に活気 魅力高める「食べ物は商店街で買える。バスの便もよく、通院も楽。本当に住みやすい」 山口市中心部の商店街アーケードそばにある「 もともとは約300メートル離れた中河原市営アパート(2棟、計60戸)に住んでいた。不自由さはなかったが、寺山さんが10年前、脳梗塞に。回復したものの、幹線道路を横切って商店街に来ることを負担に感じていた。 そんな時、市営住宅の移転が決まり、2009年2月に引っ越した。9階建て(32戸)の新居から店まで、歩いて30秒足らず。2DKの室内も段差のない造りだ。家賃は1万円増えて月1万6000円になったが、「暮らしやすいから不満はない」と話す。 中市商店街の山田太郎・振興組合理事長(62)も「人口が増えるのは活性化の一歩。何でもそろう『まちなか』に住む方が便利との認識が広がってほしい」と歓迎する。 ◇ 人口約19万6000人。県庁所在地の山口市も、中心市街地の求心力は落ちている。市は07年度に「中心市街地活性化基本計画」を策定。誰もが暮らしやすいコンパクトなまちづくりを目指し、店舗などが集まる「まちなか」への居住を誘導する政策を始めた。 まず、基本計画の対象区域をJR山口駅北側の約75ヘクタール(市面積の0・07%)に設定。区域内の人口は減少傾向が続いており、00年に3796人だったが、11年度までに4200人に増やす目標を立てた。 誘導策の柱が市営住宅の移転・新築だった。老朽化した市営住宅には、高齢の住民が目立つ。そこで、古くなっていた中河原市営アパートの2棟を移転することにした。初期投資を抑えるため、民間の建物を市が借り上げ、管理する。さらに新築の1棟(38戸)を確保。すでに3棟とも満室で、177人が暮らす。 10年度には住宅を新築・改築する場合、最高で100万円を補助するなど新たな優遇制度も始めた。この結果、区域内の人口は11年に目標を上回る4313人になった。 まちなか居住を進めるのは、山口市だけではない。 石川県の県都・金沢市(人口約46万人)も、中心市街地で住宅を新築・購入する場合、費用の一部を補助する仕組みなどを設けた。07〜11年度に「中心部で転入者と転出者の差をプラスにする」との目標を立て、達成できる見通しだ。 ◇ 大分市では今、中心市街地の再生を目指して進めてきた街の大改造が最終段階を迎えつつある。 人口約48万人。中心部はJR日豊線、久大線、豊肥線で分断され、市役所や商業施設などがある駅北側ばかりが発展していた。 だが、1997年に始まった線路の高架化が3月に完成。JR九州は15年春、専門店街やホテルなどが入る新駅ビルを開業させる予定だ。駅南側では、幅約100メートルある「シンボルロード」の整備や、複合文化交流施設などの建設が進む。 釘宮磐市長(64)は「再開発で反転攻勢し、都心を復活させたい」と強調する。 増田寛也・元総務相(前岩手県知事)は「県都の核となる中心部が再生し、その街にしかない魅力を高めることで、東京や福岡などへの人口流出を防ぐダム機能を果たせる。また、県都が競いあうことが、日本全体をよみがえらせる力になる」と話している。(第5部おわり) 中心市街地活性化基本計画 改正中心市街地活性化法に基づき、市町村が作成。認定されると、国からまちづくり事業の補助金が出る。内閣府によると、2007年2月以降、全国105市の108計画が認められた。高齢者住宅や商店街の整備、多目的複合施設の新設など取り組みは多岐にわたる。 ◇ 連載「自治再生」に関するご意見、ご要望をお寄せ下さい。宛先は社会部(s-syaka1@yomiuri.com、ファクスは092・715・5509)。 (2012年2月3日 読売新聞)
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