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長崎市長射殺2審、死刑破棄し無期懲役判決

 長崎市長選中の2007年4月に伊藤一長・前市長(当時61歳)が射殺された事件で、殺人、公職選挙法違反(選挙の自由妨害)などの罪に問われ、1審・長崎地裁で求刑通り死刑を言い渡された元暴力団幹部城尾哲弥被告(62)の控訴審判決が29日、福岡高裁であった。

 松尾昭一裁判長は「1審判決は重すぎる」と述べ、1審判決を破棄し、無期懲役を言い渡した。

 選挙期間中の現職市長が射殺されるという特異な事件で、最高裁が死刑適用の基準を示した1983年の「永山基準」にかんがみ、被害者1人での死刑の適否が最大の争点となっていた。

 松尾裁判長は死刑を回避した理由について、「被害者が1人にとどまっていることを十分に考慮する必要がある」と指摘。「民主主義に対する挑戦であるが、動機は被害者に対する恨みであり、選挙妨害そのものが目的ではない」と判断した上で、「死刑を選択することについてはなお躊躇(ちゅうちょ)せざるを得ない」と結論づけた。

 判決は、殺害を計画した時期など弁護側が控訴審で事実誤認と主張した点について、「1審判決に誤りはない」と計画的な犯行であったと改めて認定。「暴力団犯罪の典型であり、行政対象暴力としても選挙妨害としても最悪なもの。死刑とした1審判決も理解できないものではない」と指弾した。

 また、犯行に至る動機を「暴力団組織内で孤立した被告が、経済的に困窮し、自分の病気などで自暴自棄になり、市への要求が思い通りにならず暴発した」と指摘した。

 昨年5月の1審判決では「民主主義社会において到底許し難く、被害者は1人でも極刑はやむを得ない」として死刑を選択。弁護側は量刑不当などを理由に控訴していた。

 判決によると、城尾被告は07年4月17日夜、長崎市の選挙事務所前で、選挙運動から戻った伊藤前市長に拳銃2発を発射し、翌18日未明に死亡させた。

2009年9月29日  読売新聞)
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