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【第5回】快適キャンピングカー提供:ナッツ◆軽量化で燃費向上 自由な旅応援
11月上旬。福岡県筑紫野市の会社員本岡義光さん(64)宅に、2台目のキャンピングカーが届いた。価格は900万円。北海道や九州を回った最初の車は7年間で約6万キロ走った。70歳で仕事を辞め、2台目で日本一周をするのが夢だという。 納入したのは「ナッツ」(福岡県遠賀町)。「地元の企業で、故障にもすぐに対応してもらえる」と本岡さんは笑顔を見せた。 スポーツカーや顧客の趣味に応じて改造するカスタムカーなどを手がけていたナッツが、キャンピングカー業界に参入したのは2002年。今では国産キャンピングカーの年間販売台数約3500台のうち、2割近くを占めるまでになった。 ![]() 荒木賢治社長
「参入した頃は『とりあえず寝ることができればいい』という雰囲気もあった。生活の一部として定着している欧州のデザインや技術を取り入れ、より快適な空間を提供したい、と力を入れてきた」。荒木賢治社長(51)は振り返る。 ドイツで毎年夏に開かれる世界最大級の展示会には、毎回10人以上の社員を派遣。オランダ、フランス、イタリアなどのメーカーにも足を運び、“本場の魅力”を学んできた。 環境重視の流れにも配慮し、車の居住部分の材料にはリサイクル可能なアルミニウムを使用。繊維強化プラスチック(FRP)の一部をアルミニウムに替えることで約30%の軽量化に成功した。車内の内装も重たい無垢(むく)材の家具が一般的だったが、ポリ塩化ビニールで覆った合板に。燃費は向上し、重たい車両で課題となるブレーキの効きも大幅に改善されたという。 現在、居住部分のボディーと家具は中国・大連の現地法人の工場で製作。来年には中国・青島近くに新工場を建設する計画で、年間2000台の生産を目指す。 営業所も来年には札幌、仙台の両地区に設け、既存の北九州(遠賀町)、神奈川(神奈川県厚木市)などの4店を含め6店になる。万が一の故障やトラブルに迅速に対応できる拠点を増やすことで、販路の拡大を図る。 「キャンピングカーのおかげで、家が壊れても避難所に入らずに済んだ」。東日本大震災の被災者からこんな声も寄せられている。荒木社長は「通常の車より大きい車でも止められる『道の駅』の整備も進んでいる。団塊世代の大量退職が始まった。時間に縛られない自由な旅の夢をかなえられるよう、応援していきたい」と話している。
〈ナッツ〉創業は1990年。従業員は178人(中国の現地法人を含む)。売上高は24億円(2011年7月期)。本社は福岡県遠賀町尾崎1704―3。 (2011年12月2日 読売新聞)
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