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【第2回】車走らせトンネル点検:計測検査

◆高精度機器 微細な亀裂見逃さず

計器やパソコンなどが並ぶMIMMの車内
トンネル内の状態を検査するMIMM

 2トントラックを改造した点検専用車が道路のトンネル内を進む。時速約50キロ。搭載した16台のビデオカメラと高精度のレーザー3台を駆使してデータを集めていく。映像を解析し、水漏れや変色、微細な亀裂を確認。レーザーは壁にできた微小な段差を教えてくれる。

 専用車両「MIMM(ミーム)」は計測検査(北九州市八幡西区)が昨年、三菱電機(東京)とともに開発した。走行しながら撮影し、形状を把握できる技術を表す英語の頭文字から名付けた。

 開発のきっかけは1999年、久山町の山陽新幹線トンネル内で起きたコンクリート塊の落下事故だった。時速約220キロで走る「ひかり351号」の車両の屋根が大破した。

 その後、全国の多くのトンネルで点検が行われ、亀裂や劣化が次々に見つかったが、目視や打音検査では、長さ1キロ分の報告書を作成するのに1か月を要していた。「もっと早く、客観的に調べられないか」。構造調査部の舛添和久部長(45)や安部正道課長(36)らのトンネル計測への挑戦が始まった。

 トラックの荷台にビデオを据え付けたが、トンネルで停車しないとピントを合わせることができない。通行止めを余儀なくされ、この方法は数年で断念。壁にピントを合わせるのではなく、設計図を基にあらかじめピントを固定するように変更した。

 停車の必要がなくなり、走行試験を3か月間繰り返した。1万キロを超える試験で、時速10キロ以下だった速度は50キロを出しても精度を確保できるようになった。

 また、撮影した映像はこれまで静止画に変換し、手作業でつなぎ合わせていたが、長さ1キロ分のデータ処理に1週間かかっていた。このため、自動化のソフト開発も併せて進め、1日で済むようになった。

 国内のトンネルは道路だけでも9300か所を超える。完成から50年以上経過した所もある。「トンネルの維持管理に効率の良い点検が求められている。将来は時速80キロでも正確に計測できるようにしたい」。舛添部長は意欲をみせる。

 MIMMに代表される測定システムの開発に伴い、手がけるエリアも全国に広がっている。


坂本敏弘社長

 坂本敏弘社長(50)は「短時間で内部の状況が分かるのは、いろいろな分野で役立つはず。点検という仕事は華やかではないが、安全を守るという点で主役でありたい」と力を込めた。

 〈計測検査〉

 1974年創業。売上高は8億5600万円(2011年8月期)。従業員84人。本社は北九州市八幡西区陣原1の8の3。

2011年11月11日  読売新聞)
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