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70トンのクスノキそろり移動、伝統工法「立曳き」で

「立曳き」で動かされるクスノキ

 熊本市街地を流れる白川の河川改修工事現場で8日、江戸時代に考案された伝統工法「立曳(たてび)き」を使ってクスノキの巨木(70トン)を移植する作業が行われた。

 木を立ったままの状態で移動させる技術。あらかじめ、樹木の立つ所から移植先まで溝を掘り、丸太を敷き詰める。その上を滑らせるようにして樹木をロープなどで引っ張り移動させるやり方だ。

 通常の樹木の移植は、クレーンなど重機でつり上げて運ぶ。ただ、重量によっては軽くするために幹や枝を切り落とす必要があるなどの難点があり、改修を担当する国土交通省熊本河川国道事務所が「立曳き」を採用した。

 同市新屋敷1の左岸にあるクスノキの巨木2本が移植の対象で、1月中旬から準備を進めていた。

 この日は、うち1本(高さ15メートル、幹回り3・8メートル)を動かした。事前に掘った溝は幅8メートル、深さ3メートル。作業員らは、根の下に荷台を入れ込み、根の部分にワイヤを取り付け、「神楽桟(かぐらさん)」と呼ばれる巻き取り機で約10メートル離れた移植先へ約2時間をかけて移動させた。

 近くの同市立白川小の5年生も神楽桟を回す作業を体験。幡手嵩大(はたてたかひろ)君(11)は「こんな大きな物を自分たちで動かせて感動した」と話していた。

 もう1本のクスノキは今月末に移動させる予定。

2012年2月9日  読売新聞)



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