コミュニティーバスの第1便を祝う津留地区の住民たち
◆高齢化率92%、最年少は25歳
目丸地区に隣接する津留地区は、山都町の中でも高齢化率が突出して高い。住民41人中38人が65歳以上で、高齢化率は92%。町議の中村益行さん(74)は「津留地区は高齢化社会を迎えた日本の縮図」と語る。
4月、地区を走っていた路線バスが廃止となり、町営のコミュニティーバスが走り始めた。町の中心部である浜町地区との間を週2回走る。
路線バス最終日の朝、住民が停留所に集まり、運転手に花束を贈って長年の労をねぎらい、そして翌日はコミュニティーバスの歓迎式典が行われた。住民の山田ミトリさん(67)は「限界集落とか呼ばれてもぴんとこない。3人の子供たちは県外に出ている。一緒に住もうと言ってくる子供もいるけど、ここを去りたくない」と話した。
そばの女性が合いの手を入れる。「そうよ。確かに高齢者ばかりだけど、みんなが助け合って暮らしている。グループホームのようなものよ」
住民の楽しみは、午後から興じるグラウンドゴルフとゲートボール。山田さんはグラウンドゴルフ派で、夫の美光(よしみつ)さん(72)はゲートボール派だ。「夜になると、スコア表を見ながら、今日はどうだったと語り合ったりしています」と山田さん。
津留地区の最年少の住民は町役場に勤める山崎咲さん(25)。地元の矢部高校を卒業する前後は進路で迷ったこともあるが、家庭の事情もあり、最終的には地元を選んだ。「でも、やはり、ここが好きという気持ちが強かったから」と言う。
役場までは車で25分ほど。昨年夏の豪雨の影響で橋げたが破損し、ずっと行われていた修復工事はまもなく終わる。国道に出るまでは曲がりくねった山道で、対向車とすれ違うことが難しい個所もあるが、山崎さんは緑あふれる通勤ドライブが気に入っている。「田舎に住んでいることを恥ずかしいことと思ったことは一度もない。友人には逆に自慢しています」