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「キャラ弁」味の宝石箱、開けば笑顔 残さず食べた!


高田さんのアドバイスを受けて、自分で作ったキャラ弁を手にうれしそうな参加者たち(福岡市南区高宮で)=浦上太介撮影

 弁当箱がカラフルな絵本のように見える。アニメや動物のキャラクターなどを、様々な食材でデザインする「キャラ弁」。手間はかかるが、家族との会話が増えたり、食材をみる目が養われたりと、暮らしが楽しくなりそうだ。

 爪やまゆ毛を切る小さなはさみ、ピンセット、サラダ用の細いパスタ……。

 福岡市南区の公共施設「アミカス」で開かれたキャラ弁教室で、講師の高田由美子さん(36)(福岡市早良区)が調理台に並べたものを見て驚いた。「手際よく作るのに便利な道具です」

 はさみはノリなどを小さく切る時に、ピンセットはそれをつまむのに使う。パスタは食材をつなげるつまようじの代わりだ。

 この日作ったのは、クマをモチーフにした人気キャラクター「リラックマ」のいなりずしを中心にしたお弁当。クマの顔は、酢飯を入れた薄あげとノリで表現。ヒヨコは型抜きしたたくあんを使った。ほのぼのとした表情が楽しい。

 高田さんが、幼稚園に通う長女の莉緒(りお)ちゃん(3)に作っているものだ。前日の夜に下ごしらえをするので、朝の作業は30分程度という。

 母親、弟と参加した小学4年の尾崎優さん(10)は、ウインナーの飾り切りなどを学び、「遠足の時に、自分で作ってみたい」と笑顔だった。

 高田さんがキャラ弁を作り始めたのは、長男の悠里くん(6)が幼稚園に入った3年前。食の細い悠里くんに、週2回のお弁当をもっと食べてほしいと思ったからだ。最初は簡単なものしか作れなかったが、戦隊ヒーローのキャラ弁を「格好いい」と喜んで食べてくれ、工夫するのがどんどん楽しくなった。

 同じジャガイモでも、悠里くんはもちもちした男爵イモより、サクサクしたメークインを好む。キュウリも無農薬だと甘みが強いのでよく食べてくれる。それがきっかけで食材の違いにも目が向き、国産の肉や無農薬、減農薬の野菜を選ぶようになった。

 様々なキャラ弁コンテストで入賞している高田さん。「子どもとの会話が増え、育児も料理も楽しくなった。タコに見立てたウインナーだけでも立派なキャラ弁。ぜひ挑戦してほしい」と力を込めた。

  リラックマのお弁当 作り方


 ウインナーの花 横に二等分したウインナーの断面に花の形の型抜きを押す。はさみで断面のふち5〜6か所にはさみで縦に切り込みを入れる。花びらのように開くまでゆでる(写真左)。

 プチトマトのお花畑 魚肉ソーセージを厚さ2ミリほどの輪切りにする。花の型抜きで小さな花をいくつか作る。プチトマトに花を乗せ、細いパスタを刺して固定する(写真中央)。

 リラックマのいなりずし 味付けいなりのあげに酢飯を入れる。ラップで包み、クマの顔の形を作る。別のあげを縦に3等分にし、袋状の二つは酢飯を入れラップで包んで耳の形に。残り一つは形楕円(だえん)に抜いて、裏返して鼻にする。ノリを目や口の形に型抜きし、ピンセットで配置する(写真右)。

 教室やブログも人気

キャラ弁を広めたいと高田さんが3月に始めた教室は、アミカス(092・526・3755)で月4回程度開かれている。会場代と材料費を含めて1回2500円。このほか、住宅会社などが主催する教室の講師も務める。日程の確認や申し込みは高田さんのホームページ(http://yumicafe123.com/index.html)で。

 佐賀市で建築会社を営む片渕守さん(39)も、長女(6)と長男(4)の朝食、看護師の妻の弁当に、キャラクターのおにぎりなどを作り、ブログ(http://marukata.sagafan.jp/)で公開している。

 簡素な朝食をせかして食べさせるのがかわいそうになり、昨夏から午前3時半に起きて作るようになったという。「子どもたちも早起きし、ゆっくり楽しく食べられるようになった」。

 片渕さんのキャラ弁教室は秋以降、佐賀市内で月1回程度開かれる予定だ。問い合わせはウイング(0952・20・2110)へ。

 「薩長同盟」リアルぜよ!


志士たちの顔が見事に表現された弁当を囲む西原沙織さん(左端)の一家

 インターネット上では、キャラ弁コンテストが目白押しだ。

 レシピ投稿サイト「シュフステージ」(http://www.shufustage.com/)が開催した「幕末キャラ弁コンテスト」では、北九州市小倉南区の主婦西原沙織さん(28)の作品「薩長同盟じゃき」が入賞した。坂本龍馬や西郷隆盛ら、難易度の高い歴史上の人物をリアルに表現した手際を、自宅で見せていただいた。

 チーズを肌に見立て、切ったノリで目鼻を表現するだけではない。水で溶いたコーヒーをつまようじの先につけ、陰を付ける。さらに、黄色と赤を混ぜた食紅を綿棒で塗ると、のっぺりしていた顔に微妙な陰影が加わった。

 やはりノリで書いた「薩長同盟」の文字の細かさに驚かされるが、実は、西原さんは元美容師。卓越したハサミさばきはプロの技だった。

 昨年春、幼稚園に入園した長女のさくらちゃん(5)が弁当を半分も食べ残すので、試しにキャラ弁を作ると見事完食するように。そこで、会社員の夫、正博さん(35)の弁当も「キン肉マン」などのキャラ弁にした。

 「同僚は男ばかり。最初は弁当箱を開くのが恥ずかしかった」と打ち明ける正博さんだが、同僚から「次はこんなキャラで」とリクエストが寄せられるようになったという。

 家庭を応援するためにシュフステージを運営するIT企画会社「ピックス」(大阪市)の吉村大作社長(30)は、「キャラ弁が家族円満につながれば、何よりうれしい」と話した。

2010年8月30日  読売新聞)
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