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高齢ペット最後まで 「シッター」利用で介護楽に![]() 年を取り、少し気難しくなったというナナ(中央)も、葛西さん(右)には心を許している(左は能見さん、福岡市中央区で)=浦上太介撮影
ペットの犬や猫の高齢化が進んでいる。食事や医療の質が上がったためのようだが、介護が必要になると、飼い主も大変だ。高齢ペットと、どうつきあっていけばいいのだろうか。 ![]() 投薬やトイレの回数などをきめ細かく記載した葛西さんの報告書
![]() ドッグフードを木づちで砕く工夫は、葛西さんからのアドバイスだ
「暑さが続くので、夏バテが心配なんです」 福岡市中央区のマンションで暮らす主婦能見恭代さん(52)は、ヨタヨタと歩くヨークシャーテリアのナナを気遣った。 雌のナナは16歳。人間なら80歳を超える高齢だ。足腰が弱り、2年前には跳び乗っていたソファにも上がれなくなった。目も耳も衰え、歩いていて家具にぶつかることもある。 寝起きのお漏らしも増えたため、フローリングの床には、滑り止めを兼ねてコルク製のマットを敷いた。気軽に知人やペットホテルに預けられなくなり、家族での旅行もままならなくなった。精神的な負担を感じ始めた時に知ったのが、留守中に自宅に来てペットの世話をしてくれるシッターの存在だった。 昨年9月から月1〜2日ほど、ペットシッターの派遣をしている「ペットサービス いーすまいる」(福岡市博多区)の訪問サービスを利用。小型犬のナナの場合、1日2回来てもらって4000円程度だ。6月には、アメリカで出産した娘を訪ねることもできた。 また、いーすまいるの店主で、ナナを担当してくれる葛西禎一さん(55)から、介護のこつを教えてもらい、世話が楽になったという。 ナナは食欲はあるが、ドッグフードをかむことができず、丸のみしていた。葛西さんは初訪問した際、木づちで砕いて与えるようアドバイス。消化不良で吐いたり下痢したりすることが減ったそうだ。 また、ナナが起きたら抱っこして専用トイレまで連れて行き、おしっこをさせるようにしたため、お漏らしの回数が減った。 「ペットと人間は、体の構造こそ違うが、老いていく過程は変わらない。だから人間のお年寄りをいたわるのと同じように接して。ただ、動物は話せない分、思いをくみ取ってやることが必要です」と葛西さん。 今は独立した2人の子供の子育てや義母の介護で忙しかった頃、そばにいて癒やしてくれたナナ。「家族の一員として、最後までしっかりと面倒をみてあげたい」と能見さんは話した。 ペットロス ブログで癒やすペットをみとった後、喪失感に襲われる人もいる。福岡市中央区のグラフィックデザイナー松浦佳菜子さんもその一人だったが、愛猫の介護体験をブログにつづったことで、元気を取り戻したという。 雄猫のニャン太郎に腫瘍(しゅよう)が見つかったのは昨年6月。必死で看病したが同10月に21歳で息を引き取った。3週間後、松浦さんは突然、過呼吸に襲われた。愛猫を失ったショックによる「ペットロス」の症状だった。 混乱した気持ちを鎮めたいと、介護記録をもとにブログを始めた。同じ境遇の人たちから共感したという書き込みが寄せられ、励まし合うようになった。 2月には、元気だったころのニャン太郎を自作のイラスト入りで紹介する「ネコさんものがたり」(海鳥社、1500円税別)を、「まつぼっくり」のペンネームで出版。松浦さんは「一生懸命に生きる姿を見せてくれたことに感謝できるようになった」と話す。 獣医師からアドバイス/生活習慣、見直す準備を![]() オークどうぶつ病院けやき(福岡市中央区)の藤原祥雅院長=写真=に、年老いたペットを世話するコツを聞いた。 ◇ 老化は7歳ごろから始まります。様々な世話が必要になる前に、生活習慣を見直すなどの準備が必要です。 例えば、屋外でしか排せつをしない癖があると、寝たきりになった時に屋内での排せつを嫌がることがあります。食事も、糖尿病、関節炎などの病気に合わせたペットフードを活用するには、普段からペットフードに慣れさせておいた方がいいでしょう。 歯が丈夫なら、食事を軟らかくする必要はありません。むしろ硬いままのほうが歯垢(しこう)がつきにくいというメリットがあります。適度な運動も必要で、散歩に行きたがるようなら制限をする必要はありません。 定期的に健診を受けさせることも大切です。がんや認知症になると、介護する飼い主は大変です。適度な息抜きもしてください。おむつや床ずれ防止パッドなど、ペット用の介護用品も活用するといいでしょう。 別れの時は必ずきます。安らかにみとる環境を考えておくことが大事です。 ◆世話のコツ▽歯が丈夫なら食事は硬いままでも ▽定期健診で体調チェック ▽ペット用の介護用品活用を 殺処分ゼロ目指して 高齢になったペットを持てあまし、保健所や動物管理センターに引き取りを依頼する飼い主もいるようだ。熊本市動物愛護センターには、「年をとって番犬の役目を果たさなくなった」「認知症で センターは2002年から「殺処分ゼロ」を目指しており、職員が飼い主に命の大切さを諭し、思いとどまるよう説得する。また、認知症の場合、遠ぼえには声帯除去手術などの対処ができることを教え、獣医師への相談を勧めている。 松崎正吉所長は「飼う前に、最後まで飼い続けることができるかよく考えてほしい」と強調する。 ▼ペットサービス いーすまいる 092・481・3443 (2010年8月16日 読売新聞)
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