「種牛 畜産再生に」ワクチン拒否農家 涙の訴え
記者会見で声を詰まらせる薦田さん
口蹄疫問題で、種牛への殺処分勧告の取り消しを求めて、訴訟を起こす構えを見せた高鍋町の畜産農家、薦田長久さん(72)は7日、県庁で開いた記者会見で、「何とか種牛を残して、宮崎の畜産再生のために使ってほしい」と訴えた。
薦田さんが飼育する種牛は、2000〜06年に生まれた6頭。これまでに同町周辺の農場で年間約700頭の子牛が生まれたほか、県外に年間約2000本の精液ストローを出荷しているという。
薦田さんは会見で涙ぐみながら、「いいものをつくることが、地域の発展にもつながるという信念で、人生を懸けて取り組んできた」と、種牛への思いを吐露。そのうえで「守ってもらえるなら、牛の精液をただでやってもいいと思っている」と述べた。
同席した代理人の弁護士は、口蹄疫対策特別措置法に盛り込まれた知事の殺処分勧告について、「急速かつ広範囲にわたるまんえんを防ぐため、やむを得ない必要がある時」とした規定に触れ、「解釈は厳密にすべき」と主張。
さらに「勧告は6月29日に出されたが、同18日以降は口蹄疫の感染は確認されず、県は非常事態宣言の解除も検討していた。ワクチン接種の対象地域にいるだけで、感染していない牛にも殺処分を勧告するのは誤り」としている。
(2010年7月8日 読売新聞)