懐かしの急行列車が復活、2月から期間限定で運行
旧国鉄時代の色に変わり、復活運行される列車(28日、北九州市小倉北区のJR九州小倉工場で)=赤松敏夫撮影
JR九州は2月から、九州で姿を消した急行列車を復活させ、期間限定で各地を走らせる企画を始める。急行は1950年代から80年代にかけて中長距離の交通手段として活躍した。今回、急行に使われていた形式の車両で復元。実際は走っていなかった区間でも運行し、「普通より速く特急より遅い」旅を味わってもらう。
JR九州によると、九州で急行の運行が始まったのは1906年(明治39年)。戦後は修学旅行などでもよく利用された。熊本―人吉間を2004年3月まで走った「くまがわ」を最後に、九州のダイヤからなくなった。
今回、急行として復活するのは、昨年11月まで大分県の由布院―南由布間でトロッコ列車として使われていた2両のディーゼル車。形式はかつて急行にも使われていた「キハ65」(1970年製造)と「キハ58」(64年製造)で、旧国鉄時代の赤みがかったクリームと朱の2色に塗り替えた。2人ずつ向かい合わせのシートなど内装はそのままにした。
2月6日の「あさぎり」(大分―日田―門司港)を手始めに、ヘッドマークやプレートを付け替えて各列車を再現しながら、当時の区間を走る。また、新たに「南十字星」(熊本―都城―鹿児島中央)、「最南端」(鹿児島中央―西頴娃(えい))の名で、運行がなかった区間にも投入する。
すでに3月21日の「ちくご」(長崎―鳥栖―熊本)まで10本の運行計画が決定。各地のJR九州旅行支店で申し込みを受け付けているが、4本はすでに90人の定員が埋まっている人気ぶり。
九州鉄道記念館(北九州市)の宇都宮照信副館長(60)は「料金も特急より安く、庶民の列車だった。向かい合って座った見知らぬ人と親しくなれるのも、旅の思い出だった」と懐かしむ。JR九州営業部販売2課は「急行の乗車経験のある人には当時のウキウキした気分を思い出してもらい、初めての人には新幹線に至るまでの鉄道の歴史を感じてもらえれば」と話している。
(2010年1月29日 読売新聞)